歯並びが悪くなる「原因」にアプローチします
歯並びが悪くなる理由はさまざまあるのですが、その中でも大きな割合を占めているのが「顎の大きさ」です。顎の正常な発育には、しっかり噛んで顎に適度な刺激を与えることが大切なのですが、現代の食事は軟らかいものが多く、子供の顎が発達しにくいと言われています。
小さな顎に永久歯が生えてくると、歯が並ぶスペースが足りずギュウギュウになってしまいます。3人掛けのベンチに4人で無理やり座る、そんなイメージでしょうか。しかし、子供の骨というのはまだ成長過程にあるため、正しく導くことができれば、顎の骨を広げ、綺麗に歯を並べることができます。
では、具体的にどうれすばよいのでしょうか?
顎の正しい成長を促すすためには、まず、しっかりと噛むことを促す食事を心がけることが大切です。また、お口全体の機能を適切に発達させるためには、筋肉(頬や舌など)のトレーニングが有効的です。さらに、歯並びを悪くする悪習慣(指しゃぶりや口呼吸、頬杖をつくことなど)の改善も重要です。
当院では、これらの取り組みと同時に、「プレオルソ」「床矯正」と呼ばれる装置を使用しています。具体的にご紹介します。
お口周りの筋肉にアプローチする「プレオルソ」
「プレオルソ」とは子供向けのマウスピースタイプの矯正装置です。大きな特徴は、歯を直接移動させるのではなく、歯並びに影響を与えるお口周りの筋肉の機能を改善し、歯並びを間接的に整えていくことにあります。
歯並びは舌や頬、唇の筋肉の均衡に応じて決まります。つまり、これら口周りの筋肉のバランスが取れていない場合、歯並びはガタガタになってしまい、反対に、バランスが整っている場合は、歯は自然と理想的な位置に並びます。
その他にも、プレオルソには他の矯正装置にはない特徴があります。
特徴1取り外しができ、「痛み」や「違和感」が少ない
通常の固定型矯正装置は、違和感や痛みを強く感じることがありますが、取り外し可能なプレオルソでは、これらの不快感や痛みが大幅に軽減されます。さらに、取り外しが可能なため、口内の清掃が簡単なため、虫歯リスクも低減します。
特徴2装着時間が「短い」
日中の「1時間」と「就寝時」のみに装着すれば良いので、学校生活等への影響が少なく、お子さんにストレスも大幅に緩和されます。
特徴3後戻り「リスク」を軽減
根本的に歯並びを悪くする「原因」にアプローチするため、治療後、後戻りしにくくなります。
特徴4将来的な治療費を抑えられる
プレオルソの治療を終えると、お口の環境が整います。そのため、新しく矯正治療が必要になった場合でも、より治療効果が得られやすかったり、治療期間を短縮できたりします。トータルで考えると、成人矯正よりも費用を抑えられます。
顎の骨にアプローチする「床矯正」
床矯正は、入れ歯と同じように取り外し可能な装置です。ご家庭でネジを巻いて少しずつ顎の骨を広げていきます。取り外しができるため、お子さんの負担も少なく、またお口のケアもしやすいというメリットがあります。また、その他下記のメリットもあります。
☑非抜歯での矯正が可能(ケースによっては抜歯になることもあります)
☑ワイヤー使用の矯正よりも見た目が気にならない
悪い舌癖を改善する「MFT(口腔筋機能療法)
ふとした時に、お子さんが前歯を舌で押したり、歯茎の間から舌がはみ出していませんか?これらは「舌癖」と呼ばれ、放置すると下顎前突(受け口)、上顎前突(出っ歯)、開咬(上下の前歯が噛み合わない)などの不正な歯並びを引き起こす原因となります。
このような舌の悪癖を矯正するためのトレーニングが「MFT(筋機能療法)」です。これは舌、唇、顔面の筋肉など、口周りの筋肉を鍛えてバランスを整え、正しく機能するよう促します。
ケースによってはMFTだけで悪い歯並びがある程度改善することもあります。
まとめ
ここまでご紹介した「プレオルソ」「床矯正」「MFT」を行うことで、矯正期間の短縮、治療後の後戻りリスクの軽減が見込めます。
また、これだけではなく、下記のメリットも得られます。
●喘息(ぜんそく)/アレルギー性鼻炎の改善
●アトピー性皮膚炎の改善
●いびきの改善
●咀嚼機能の改善
●学習能力の向上
このように、歯並びを整えることで、お子さんの身体そして将来に良き影響があります。