インプラント

インプラント治療は、入れ歯やブリッジと同じく、失った歯を補う治療法です。インプラントの大きな特徴としては、入れ歯やブリッジと異なり、他の健康な歯に負担をかけないことと、まるでご自身の歯のような嚙み心地を再現できることです。

こうした大きなメリットがある反面、インプラントを入れるには外科的な手術が必要になるため、患者さんの肉体的／精神的な負担が大きい治療法でもあります。

当院では、次のような取り組みで、患者さんへの負担が少なく、安全なインプラント治療を行っています。
以下、詳しくご紹介します。

インプラント治療では、患者さんのお口の状態によっては「骨造成」という手順が必要になることがあります。骨造成で活躍するのが「ピエゾサージェリー」です。骨造成では、骨を切開することがあります。ピエゾサージェリーは超音波の振動で組織を切開する装置で、骨などの「硬い組織のみ」に作用するため、歯茎や血管を傷つけずに治療ができます。

これらのデータから、「サージカルガイド」を作成します。サージカルガイドは、患者さんのお口の形に合わせたマウスピースのようなもので、インプラントを入れる位置に穴が空いています。実際のオペでは、患者さんのお口にサージカルガイドを装着し、サージカルガイドの穴に合わせてインプラントを入れることで、人為的ミスを排除した安全な施術が行えます。

通常のインプラント治療では、抜歯してから傷口が治り、骨が安定してからインプラントを入れる手術を行います。したがって、患者さんにとっては「歯がない期間」が数ヶ月続き、全体の治療期間も長くなりました。しかし、インプラントの治療技術は大きく進化しています。現在では、歯を抜いた当日に新しい歯が入る治療法もあります。それが「抜歯即時荷重」インプラントです。

歯を抜いた穴にインプラントを入れるので、骨の造成が不要で、歯茎を切開する必要もありません。

次のようなメリットがありますが、適応症例が限られるというデメリットもあります。

• 時間がかかる「骨造成」が不要
• 歯茎を切開しないため、身体への負担が少ない
• 治療期間が短くなり、来院回数も減る

インプラントは、身体の一部として数十年にわたって使い続けるものです。このため、信頼できるメーカーのインプラントを選ぶことは重要です。当院では、数多くのドクターから支持されている、信頼性の高いインプラントを採用しています。

1965年に世界で初めてインプラント治療を成功させた、もっとも歴史の長いメーカーで、現在は「世界4大インプラントメーカー」のひとつに数えられます。40年以上もの間、同社のインプラントを使い続けた方がいることも報告されており、信頼性の高さは世界トップクラスといえましょう。

日本国内で開発・製造を行っているインプラントメーカーです。日本人の口に合ったインプラントが特長で、多くのドクターに支持されています。現在では、欧米、中国など世界の市場にも参入しており、国際的にも高い評価を得ているインプラントメーカーです。

ドイツに本社がある、世界最大の歯科医療製品メーカー「デンツプライシロナ」が販売するインプラントシステムです。抜歯即時荷重インプラントのために設計されており、高い成功率が報告されています。

はじめにカウンセリングを行い、インプラントに求めること、治療に関する疑問点など、お話を詳しく伺います。

気になることは、どんな小さなことでもかまいませんので、遠慮なくご質問してください。

お口の状態を正確に把握するために、CTやレントゲンなどを使って精密検査を行います。
検査の結果、抜歯即時荷重インプラントが可能なのか、手術の前に骨造成が必要なのかがわかります。また、インプラント治療が適さないと判断した場合は、別の治療法を提案させていただくこともあります。

検査の結果、インプラント治療が可能と判断した場合は、治療計画を作成します。
治療についてのメリットやデメリットを詳しくお伝えしますので、実際に治療を開始するかは患者さんに判断していただきます。患者さんが判断できるよう、私たちがサポートいたしますので、疑問や不安なところがあれば、遠慮なくご質問ください。

虫歯や歯周病がある場合は、先にこれらの治療を行い、お口の中の環境を整えます。

インプラントを入れる手術を行います。術式にもよりますが、1〜2本であれば、1時間ほどで手術が終わることもあります。抜歯即時荷重インプラントであれば、手術の当日に仮歯が入ります。

インプラントと骨が結合するのを待ちます。埋め込んだ場所によって期間は異なりますが、だいたい1〜3ヶ月程度かかります。

インプラントと骨がしっかり結合したら、上部構造（人工歯）を入れます。上部構造を装着し、噛み合わせを調整したら、治療は完了です。

インプラントを長く使うためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラント自体が虫歯になることはありませんが、「インプラント周囲炎」といって、歯周病のような症状が起きることがあります。インプラント周囲炎が進行すると、せっかく入れたインプラントが抜けてしまうこともあります。

インプラントは、入れ歯やブリッジと並び、失った歯を補う治療法として広く知られるようになりました。

しかし、その最大の利点のひとつがあまり知られていません。

入れ歯やブリッジと異なり、インプラントは、残っている他の健康な歯を守る治療法であることです。

部分入れ歯やブリッジは、他の健康な歯の支えが必要です。ものを嚙むたびに支えとなる歯に負担がかかります。支えとなる歯は、何年か後に抜歯となることが多いのです。

インプラントのみが、他の健康な歯に負担をかけることなく機能します。確かにインプラントは費用もかかります。外科的な手術も必要です。そういった側面だけでなく、残った歯を守る唯一の治療法であることも考慮して、どの治療を選ぶか判断していただきたいと思います。